2025/07/07 08:00

「それ、邪道だね。」

酒珈琲をリリースした翌日、届いたのは応援の声ではなく、

DMや電話での「ありえない」といった否定的な反応でした。

正直、とてもショックでした。自分では「面白いものができた」と思っていたし、

きっと喜んでもらえるだろうと信じていたからです。

でも、現実はそんなに甘くありませんでした。
売れない日々、繰り返される批判の声。
気づけば、心が少しずつ揺らいでいました。

そんなある日、新しい商品の開発を考えて、隣町のクラフトビールメーカー「サンクトガーレン」にメールを送ってみました。

すると、なんと社長ご本人がお店まで来てくれたのです。

思いがけない訪問に驚きながらも、少し気が緩んで、こんなことをこぼしてしまいました。

「酒珈琲、邪道だって言われました」と。


すると社長は、まっすぐな目で言いました。
「うちも邪道って言われたよ。でも、今がある。」


その言葉を聞いた瞬間、心の中で何かがすっとほどけた気がしました。
そうか。自分がやっているのは、まだ誰もやったことのない道。
だからこそ、「邪道」と言われるんだ。
でも、それってつまり——俺が先頭を走っているってことじゃないか。

先頭に立つということは、批判や不安にさらされることもある。
でも、その先にしか見えない景色がきっとある。


あの日から少しずつ、酒珈琲を応援してくれる人が増えてきました。

「面白いね」「飲んでみたい」そんな言葉が、僕の背中をそっと押してくれます。
今では「邪道」という言葉が、少しだけ誇らしく思えるようになりました。


この経験が、どこかで何かに挑戦している誰かを励まし支えられるように
今日もまた、自分の信じた道を進んでいきます。